鎌倉の弁護士

民法上、貸主は、借家の使用収益に必要な修繕をする義務を負っています（民法６０６条１項）。

雨漏りがある状態は、借家の使用収益に支障が出ている状態ですので、貸主が屋根を修繕する義務があります。そこで、借主は貸主に屋根を修繕するように求めることもできますし、借主が自分で修繕した場合には、その費用を貸主に請求することもできます。

もっとも、上記の民法の規定については特約を定めることが可能です。したがって、賃貸借契約書において、通常使用による軽微な修繕に関しては借主に修繕義務を負わせる特約がある場合には、借主がその修繕する義務を負うため、契約の際には注意が必要です。

一方、屋根のような建物の構造に関わるような大規模の修繕を借主の義務とする特約は、消費者契約法や民法などに基づき無効になると解されますので、借主に負担させることはできません。